やさしく、はかない、氷の輝き「かき氷」

奈良・ほうせき箱

「ほうせき」この美しい言葉は昔、
奈良では“おやつ”のことだったそうです。
古代の冷蔵庫「氷室(ひむろ)」があった“かき氷の街”
奈良にお店を構えるほうせき箱は、皆をうれしい笑顔にさせる、かき氷専門店です。
代表の岡田桂子さんに、かき氷の魅力を伺いました。

奈良のかき氷カルチャーを盛りあげる人気店

近鉄奈良駅に近い、奈良もちいどのセンター街に位置するほうせき箱
近鉄奈良駅に近い、奈良もちいどのセンター街に位置するほうせき箱
出迎えてくださった、代表の岡田桂子さん
出迎えてくださった、代表の岡田桂子さん

奈良には、はるか昔に氷を貯蔵する氷室があり、氷の溶け具合でその年の稲作の出来を占ったとされています。このように氷と縁が深い奈良は、全国からかき氷を楽しみに訪れる方が増え、この街の魅力のひとつに。なかでもほうせき箱は、常にその動きが注目される人気のお店です。代表の岡田桂子さんに、お店を始められたきっかけをお聞きしました。
「かき氷がブームになりつつあった2014年、氷室の守り神をお祀りする氷室神社さんにお力添えいただき、『ひむろしらゆき祭』というかき氷の祭典を開催しました。お祭がとても盛りあがったことに勇気をもらい、仲間の輪が広がって、お店をオープンする流れになりました。」
わずか3カ月ほどで、行列ができるほど評判に。2018年に今の場所へ移転し、2022年には姉妹店である柿の葉茶専門 SOUSUKE byほうせき箱をオープン。お店への応援や期待を励みに、今も進化し続けています。

奈良のかき氷カルチャーを盛りあげる人気店

軟水を72時間凍らせた純氷。やわらかな味わい
軟水を72時間凍らせた純氷。やわらかな味わい
柑橘ハーブとヨーグルト 税込1,400円 お店のみなさんで無農薬栽培されたハーブを使用し、爽やかな口当たり
柑橘ハーブとヨーグルト 税込1,400円
お店のみなさんで無農薬栽培されたハーブを使用し、爽やかな口当たり
※2023年4月現在の情報です。
薄くふわふわに削っていく。まさに職人技!
薄くふわふわに削っていく。まさに職人技!
ヨーグルトとミルクの2種類から選べる奈良いちご氷 税込1,580円
ヨーグルトとミルクの2種類から選べる奈良いちご氷 税込1,580円
※2023年4月現在の情報です。

店内は、宝石のように美しいかき氷に目を輝かせるお客様でいっぱい! なぜ「ほうせき」という店名をつけたかについて、「華やかなジュエリーボックスをイメージしたわけではなくて。」と岡田さん。「昔から奈良では、おやつを『ほうせき』と呼んできたのだとか。それを聞いて、素朴なおやつのように暮らしに溶け込み、愛されるかき氷をお出しするお店でありたいと思いました。」
岡田さんのお人柄を映すように、ふんわりとやさしいかき氷。使う氷は、72時間凍らせた純氷です。「硬く凍った氷をやわらかく戻してから、薄くふわふわに削ります。じっくり凍らせた氷は、不思議と溶けにくいのです。」

同じ氷を同じ機械で削っても、削り手によって質感が違います。「削る角度、温度や湿度、シロップの種類やかけ方も、15年間削り続けても正解がわからないほど、奥深いものです。」
氷を削れるスタッフは、4人。かき氷機に向き合うその表情は、さながら大切な楽器を扱う音楽家のよう。繊細な感性と職人技が奏でるライブ感に、心がときめきます。

自由でクリエイティブな素材使い

(左から)大人の抹茶DX 税込1,320円 ラズベリーミルクカスタード氷 税込1,200円
(左から)大人の抹茶DX 税込1,320円
ラズベリーミルクカスタード氷 税込1,200円
※2023年4月現在の情報です。
シロップやトッピングは奈良県産の素材を使って 準絶滅品種のひとつ大和橘の蜜煮は、毎年なくなり次第終了!
シロップやトッピングは奈良県産の素材を使って
準絶滅品種のひとつ大和橘の蜜煮は、毎年なくなり次第終了!
柿の葉茶で淹れる紅茶・ほうじ茶で、風味豊かなシロップが作られます 抹茶は「大和抹茶」を使用
柿の葉茶で淹れる紅茶・ほうじ茶で、風味豊かなシロップが作られます
抹茶は「大和抹茶」を使用
パステルフルーツ氷 税込1,400円
パステルフルーツ氷 税込1,400円
※2023年4月現在の情報です。

ほうせき箱の魅力を物語る一つが、エスプーマ氷です。スペイン語で「泡」を意味する、クリーミーで軽やかな食感に感動! 定番のヨーグルトとミルクのほか、ホワイトチョコ&抹茶、生姜醤油のスパークリングなど季節の限定フレーバーも。片っ端から全部、試してみたくなります。
また、「奈良産素材の素晴らしさを、かき氷にのせて伝えたいから。」と岡田さんが選ぶ植村牧場の牛乳、東田中養蜂場の純粋蜂蜜、平井農園の柿など、シロップや味つけに使う素材の一つひとつに、こだわりと愛がこもっています。
岡田さんおすすめのかき氷は、1つのかき氷で多彩な味を愉しみたいなら、カラフルなパステルフルーツ氷を。お好みの素材をじっくりと味わうなら、抹茶やラズベリーミルクカスタードなんていかが? 最後まできれいに食べるには、「氷の真上からすくって空いた穴に横から氷を落としていくといいですよ。」というアドバイスもいただきました。さっそく試してみます!

奈良から世界へ―KAKIGORIを発信

「無味無臭ですぐに溶けるはかない氷は、私にとって、季節感や食材の魅力を自由に表現できる、真っ白なキャンバスなんです。」と岡田さん。かき氷を通じたコラボレーションやご縁も、ますます広がっています。アーティストとの交流などから新しい動きが生まれたり、様々なフードイベントに参加したり、「サウナ×かき氷」というユニークな活動も!
岡田さんのこれからの夢は「2020年以前は、世界中からお客様が来店され、海外進出も検討していました。国境を超える人流が回復しそうな今後は、状況を慎重に見ながらとなりますが、世界に向けて『日本のかき氷』を発信していきたいですね。」もしかしたらかき氷も、寿司や漫画のように、海外でもそのまま日本語が通じる新たな日本発カルチャーになるかも? 岡田さんの笑顔の向こうに、そんな未来像が浮かびます。

1杯のかき氷に、やさしいおいしさと大きな夢をトッピングして。溶けないうちに、いえ、溶け合って混じりあう様子も愉しみながら、召しあがれ。

2023年4月現在の情報です。
食材をはじめ、メニューは季節によって変わります。

■ほうせき箱

奈良市餅飯殿町47  TEL. 0742-93-4260
営業時間/10:00~17:00、土曜・日曜・祝日は17:30まで ※12:50〜14:00はクローズ
定休日/木曜日予約サイト https://airrsv.net/housekibaco-sousuke/calendar

【完全WEB予約制】店頭やお電話での予約は承っておりません。
予約受付期間:ご来店1日前21:00~当日7:00
※予約が満席でない場合は、当日店頭で予約券を配布いたします。